〔A〜L〕
Fok Danceに関連する人名についてのあれこれ。
ぼちぼちと追加していく予定です。


 


  ▽ A ▽  

 Avraham (Abraham)  アブラハム
旧約聖書(創世記)に登場する、ユダヤ人とアラブ人共通の祖。
ユダヤ民族最初の族長で、「信仰の父」とも呼ばれる。
元は Avram という名で、ユーフラテス河流域に暮らしていたが、神の声に従ってカナンに至り、神との契約によってカナンの地と子孫の繁栄を約束された。
アブラハム(多くの民の父)という名を神から与えられ、100歳のとき神の予言通り、90歳の妻サラ(サライ)との間に息子イサクが生まれた。イサクの息子の一人、ヤコブ(後にイスラエルと改名)の12人の息子が、イスラエル12支族(ユダヤ民族)の祖とされている。
ちなみに、85歳のときにエジプト人の女奴隷ハガルとの間に生まれ、後に母と共に沙漠へと追われた息子イシュマエルが、アラブ民族の祖とされている。

  ▽ B ▽  

 Bariş Manço  バリッシュ・マンチョ [1943-1999]
イスタンブール生まれの、トルコの有名なロック歌手。
突然の心臓発作で世を去るまで、40年以上に渡って活躍を続け、創った歌は200曲余り。周辺各国でもカリスマ的な人気を持つ。(彼の名 "Bariş" には「平和」という意味もある。)
"Bariş Halayı" は、彼の歌に halay を振付けたもの。

 Blagoj Petrov Karag'ule  ブラゴイ・ペトロフ・カラギュレ
マケドニアの有名な歌手。
1963年に首都 Skopje 周辺を襲った地震で亡くなった。 "Žalna Majka" は、残された彼の母親の悲しみを歌った歌。

  ▽ D ▽  

 David  ダビデ(王)
旧約聖書(サムエル記)に登場する、イスラエル第2代の王。
一介の羊飼いであったが神に選ばれ、サウル王の死後イスラエルの王となった。少年時代には巨人ゴリアテを投石で倒してイスラエル軍に勝利をもたらし、即位後には優れた統治力で王国の繁栄の基礎を築いた国民的英雄。
また、竪琴の名手で、詩作にも優れ、詩篇の約半分は彼の作と伝えられている。
彼の息子で、その跡を継いだのが、有名な賢人ソロモン王。

 Dimitâr Blagoev  ディミトゥル・ブラゴエフ [1859-1924]
ブルガリア共産党の創設者の一人で、中央委員会初代議長。
ピリン地方の中心都市 Blagoevgrad は彼の名にちなんで名付けられた。

  ▽ E ▽  

 Eliyah  エリヤ
旧約聖書に登場する中でも、ユダヤの人々に最も親しまれている預言者の一人。
彼の時代のイスラエル王国では、フェニキア出身の王妃イゼベルが持ち込んだ異教のバアル神崇拝が大きな力を持ち、王アハブもその影響下にあった。エリヤは恐れることなく王と王妃の罪を糾弾してその悲惨な死を預言し、カルメル山上でバアル神の預言者450人と対決した際には、ユダヤの神の力を証明して勝利をおさめた。最期は竜巻にのって生きたまま天に昇り、メシア(救世主)が現れる前に再び姿を現すとされている。
そのため、安息日にはエリヤの再来を願う歌を歌い、ユダヤ教最大の祭日である「過越の祭り」の日には、エリヤの為の杯を用意し、戸口を開けて彼がそこに立っていないか見回す風習がある由。

  ▽ G ▽  

 Giorgos Dalaras  ヨルゴス・ダラーラス [1949-]
1970年代に "Na 'Tane To '21" ("Hasapikos" の元歌)を大ヒットさせた、ギリシャのスーパー・スター。
50 才代になった今(2003 年)もライブを欠かさず、アルバムを出せば必ずトップ 10 入りとか。2001 年発売のアルバム "The Running Roads" にはスティングとのデュエット曲も収録されて話題をよんだ、らしい。

 Goce Delčev  ゴツェ・デルチェフ [1872-1903]
Egejska Makedonija 出身のマケドニアの英雄。
オスマン・トルコに対する反乱軍 "Komita" のリーダー "vojvoda" の一人で、「マケドニア人のためのマケドニア」をスローガンに掲げた「内部マケドニア革命組織(VMRO)」の中心的存在。
当時のマケドニアのほぼ全土を回り、反乱軍の組織作りに奔走していた途上、トルコ軍の包囲に遭い、激戦の末31歳の若さで死亡。VMRO が一斉蜂起し、短期間ながらもマケドニア人初の Kruševo 共和国を成立させるのは、彼の死から約3ヶ月後のことだった。
彼の名はマケドニア国歌などにも歌われ、その命日には今なお多くの人々が集まって彼を偲ぶとか。現在のブルガリア南西部の町 Goce Delčev は、彼の名前にちなんで名付けられた。


  ▽ I ▽  

 İnce Mehmet  インジェ・メフメット
トルコの英雄 Mehmet に付けられた通称。意味は「ほっそりした Mehmet」。
("ince" には、他に「きめ細かい、注意深い、密かな」などの意味もある。)
Yaşar Kemal というトルコ人作家の代表作 "Ince Mehmet (Skinny Mehmet)" は、彼をモデルにしているのではないかと思われる。その内容は、村の有力者でもある富農に対して反旗を翻した、一人の貧しい農民の物語−いわば近代トルコ版のロビン・フッド−だそうだ。

  ▽ J ▽  

 Jane Sandanski  ヤネ・サンダンスキ [1872-1915]
ピリン出身のマケドニアの英雄。
オスマントルコに対する反乱にその身を捧げ、「ピリンの皇帝」とも呼ばれたが、 ピリンがブルガリアに併合された直後、ブルガリア皇帝によって暗殺された。
マケドニア国歌等、数多くの歌にその名が歌われている。また、現在のブルガリア南西部の町 Sandanski は、彼の名前にちなんで名付けられた。

  ▽ K ▽  

 Kolokotronis  コロコトロニス [1770-1834]
オスマン・トルコ帝国に対するギリシャ独立戦争の英雄。
クレフティスを率い、ゲリラ戦で大いに活躍したが、イギリスなどの支援を受けた知識人勢力との内戦に破れ、実権を奪われた。
("Hasapikos" の歌に名前が登場。)

 Kosta Mitov  コスタ・ミトフ
ファシズムに対する戦いの中で命を落とした、ブルガリアのパルチザンの指導者。通称 "Karamfil"。("Karamfil" は彼のことを歌った歌。)