〔A〜L〕
Fok Danceに関連するあれこれ。ぼちぼちと追加していく予定です。


 


  ▽ A ▽  

 Armenian アルメニア語
アルメニア語は大きく東アルメニア語と西アルメニア語に分けられ、同じ単語でも発音が違ったりする。例えば、"Garoon"が東、"Karoon"が西の発音。
  東アルメニア語 : 現在のアルメニアや、イランのアルメニア人居住区で
             話されているアルメニア語。
  西アルメニア語 : 欧米や中近東など、世界に散在するアルメニア人が
             話すアルメニア語。

 葦の海(紅海)の奇跡
旧約聖書・出エジプト記最大のハイライト・シーン。
往年のスペクタクル映画「十戒」などでお馴染み。
イスラエルの民はエジプトで奴隷として迫害を受けていたが、預言者モーセに導かれ、約束の地カナンへと旅立つ。しかしエジプト軍に海際まで追い詰められ、進退きわまってしまう。そのとき、モーセが神の言葉に従って海に手を差し伸べると、海が二つに分かれ、イスラエルの民は無事渡りきることができた。再びモーセが手を差し伸べると海は元に戻り、後を追うエジプト軍は残らず波に飲まれてしまった。
この奇跡が起きた場所が「紅海」というのは誤訳で、実際はスエズ湾と地中海の間に細長く広がる湿地帯に点在する湖のどれか(バルダウィール湖など)だったという説が、現在では有力らしい。

  ▽ B ▽  

 Baalbek International Festival バールベック国際フェスティバル
1960年代初めから、レバノンのバールベック(バールベック神殿のある町)で毎年開催されていた歌謡・舞踊フェスティバル。国内外からトップレベルの歌手や舞踊グループが出演していたが、厳しい中東情勢のため1970年代半ばに中断。その後、1997年に再開された。

 Berdanka ベルダンカ
ロシアの Berdan が作ったライフルで、19世紀後半〜20世紀初頭当時、最も性能が優れた銃の一つ。バルカン地方でも広く使われていたらしい。
Komita のことを歌った "Kruševo Aber Pristigna" の歌詞などに登場。)

  ▽ C ▽  

 chazan ハザン
シナゴーグで聖書や祈祷書を朗詠し、会衆の祈りや歌をリードする人。先唱者。

  ▽ D ▽  

 darbuka(tarbuka) ダルブカ(タルブカ)
中近東生まれの片面太鼓のこと。
今日ではバルカン地方からパキスタン、北アフリカにかけての広い地域で、民族楽器として重要な位置を占めている。その名はアラビア語で「叩く」という意味の「ダルブ」に由来し、他に、ダラブッカ、タブラ、ドゥンベックなどとも呼ばれる。
元は素焼きや陶器の胴に動物の皮(羊、牛、魚など)を張ったものだったが、現在は金属(アルミ、真鍮など)の胴に調節可能なプラスティック・フィルムを張ったものが多くなっている。胴に象牙や貝などで装飾を施したり、金属を打ち出して複雑な模様を描いたものもある。

 davul ダウル(ダヴル)  → tapan 参照

 Dimna Juda ディムナ・ユダ
マケドニアの伝説に登場する、老婆の姿をした邪悪な木の精の名前。
子供や若者を捕らえては、笑いながら彼らの体を引き裂いて食べ、その骨で自分の城(街)を作ったと言われる。
Kopačka のスロー・パートの歌詞の中に登場。)

 Diwan ディワン
イエメナイトの信仰の歌(詩)を集めた本のこと。
題材は、約束の地カナンへの帰還、ユダヤ人の過去と未来、人と神の間の絆、聖書などが多く、本来は男性のみが歌い踊ることが許されている。そのメロディーとダンスは、日々の宗教生活の中で口伝えによって世代から世代へと受け継がれてきた。
17〜18世紀の南イエメンのユダヤ人社会の指導者としても有名なシャロム・シャバジの作品が特に多く、全体の約80%を占めるという。

 Drăgaica ドラガイカ
聖バプテスマのヨハネの日(6月24日)に、ルーマニアの村々で行われる伝統的なお祭。
この日、少女たちは Sânziană (金髪の妖精)と呼ばれる黄色い花と麦の穂で作ったリースで頭を飾って、悪霊を追い払い豊作をもたらすためのダンスを踊る。
Transilvania地方では、この祭は "Sânziene" と呼ばれ、リースを家の屋根に投げて将来の結婚運を占うという。

  ▽ E ▽  

 Easter 復活祭
春分の日以降の最初の満月直後の日曜日。キリスト教最大の祝日。
この日を中心とした約3ヶ月の間、様々な行事が行われる。
キリストの復活を祝うお祭だが、キリスト教以前の、春の訪れを 祝う祭が起源と考えられている。

 Exodus 出エジプト記
旧約聖書の一部で、トーラーの一つ。
エジプトで奴隷として暮らしていたユダヤ人を預言者モーセが率いて脱出〜約束の地カナンを目指し、シナイ半島に到るまでの物語。
葦の海(紅海)の奇跡」(映画などでもお馴染の、海が割れるシーン)やシナイ山での神との契約「十戒」などが有名。

  ▽ F ▽  

 Fanfare Ciocărlia ファンファーレ・チォカリーア
ルーマニア(モルドヴァ地方)の寒村出身の Ivancea 一族を中心に構成された、「世界最速の」ジプシー・ブラスバンド。
地元の村々の冠婚葬祭などで演奏していたところを1997年に見出され、瞬く間に世界中で圧倒的な人気を獲得した。
世界の伝統音楽からポピュラー音楽まで、ラジオなどで聴き、好きになった音楽は何でも、自分たちのスタイルで演奏してしまう・・・そんな彼らを描いたドキュメンタリー映画『炎のジプシーブラス〜地図にない村から』は、日本でも話題を呼んだ。

 Frengija フレンギヤ
フランク(フランス)製の細身の剣。ダマスカス製の Dimiskija と並んで、19世紀末〜20世紀初頭当時の komitahajduk が好んで使った剣の一つ。
(Komita のことを歌った "Kruševo Aber Pristigna" の歌詞などに登場。)

  ▽ G ▽  

 gadulka ガドゥルカ
ブルガリアの擦弦楽器。別名kemene。(トルコのkemençeの親戚。)
バイオリンに似ているが、胴は洋ナシ型で、首がやや短い。メインの3本の弦の他に複数の共鳴弦を持つ。
歌や大道芸(熊使い、人形劇など)の伴奏楽器として親しまれてきたらしい。

 gajda ガイダ
マケドニア、ブルガリア等で広く使われている民族楽器。(バグパイプの一種)
羊まるまる一頭の胴体部分の毛皮を裏返し、首と両前足のところに3本の管(※)を取り付けたもの。
  ※息の吹込み口、メロディーを奏でる旋律管、持続して低音を出すドローン

 Genesis 創世記
旧約聖書の始まりの書で、トーラーの一つ。
天地創造から、ユダヤ人の祖アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの生涯の物語。
「エデンの園(アダムとイヴ)」や「ノアの大洪水」などが有名。

  ▽ H ▽  

 hajduk(haiduc), hajdutin, kleftis ハイドゥク、ハイドゥティン、クレフティス
バルカン各地の森を根城とした匪賊(義賊)。
セルビア語、ルーマニア語などではハイドゥク、ブルガリア語ではハイドゥティン、ギリシャ語ではクレフティスと呼ばれた。
元は、オスマン・トルコ帝国の支配を嫌って森に逃げ込んだアウトローの農民たちで、キャラバンやオスマン軍などを襲って物品を奪うことを生業としていたが、18〜19世紀には反オスマンの意識を強め、各地の民族運動、独立戦争に参画した。

 Hasapikos ハサピコス
現在のギリシャで最もポピュラーな踊りの一つ。
村の祭や結婚式のパーティ、レストランなどでも踊られ、実に様々なバリエーションが存在する。その起源は、東ローマ(ビザンツ)帝国時代のコンスタンティノープル(現イスタンブル)で踊られていた、肉屋の組合の踊りと言われている。(トルコ語の kasap(肉屋)が語源。)
1964年の映画『その男ゾルバ』のラストに、主人公ゾルバが海辺でハサピコスを踊るシーンがあり、広くギリシャ国外にも知られる様になった。
ゆっくりしたテンポで始まって速い曲へと移行するタイプの Hasapikos を Sirtaki とも呼び、 Zorbas は代表的な Sirtaki の一つ。

  ▽ I ▽  

  ▽ K ▽  

 kalinka カリンカ(がまずみ)
白い花、赤い実をつける低木。
(東ヨーロッパでは)女性の美しさや処女性、花嫁のシンボルとして愛されているとか。有名なロシア民謡「カリンカ」のコーラス部分は、この可憐な花の名を借りて若者が恋人に呼びかけている由。

 kaval カヴァル
ブルガリア、マケドニアなどで広く使われている木製の笛。羊飼いの笛。
音を出し易くする仕掛けの無い吹き口から息を吹き込み、50〜90cm の細長い笛を斜めに構えて演奏する。ほとんど「単なる筒」に指穴を開けただけのシンプルな造りだが、2〜3オクターブにも渡って幅広い音色を奏でることができる。
精霊との笛の吹き比べや、笛の上手い羊飼いの羊はよく乳が出る話など、民話にもしばしば登場するらしい。

 kleftis クレフティス
→「ハイドゥク」の項参照。

 koleda コレダ
クリスマスのこと。(ブルガリア)
クリスマスの季節には、伝統的な衣装を着て木の杖を持った Koledari と呼ばれる男たちが村の家々をまわる。彼らは、各家の前で歌い踊ってその家の人々の健康や長寿を祈り、特製のパンなどをもらう由。

 komita コミタ
オスマントルコに対する、マケドニアの反乱義勇軍、またその兵士。