マケドニアの曲名あれこれ
〔A〜L〕


 


<一口メモ>

  曲名等の読み方はこちら →

 
接尾辞などの意味
・〜to(ta) : 英語の"the"
・〜sko(ska) : 〜の
・〜ov(ovo), 〜ino : 〜の

  ▽ A ▽  

 Anuše   (1993 Atanas)
女性の名。
  ♪”Anuše、白い頬と紅の唇を持つひと。
      きみの花園は、丘の上にあるんだね。
    丘の上には、いろいろな花が植わっているのよ。
      私の花園一面に、敷きつめたように。
    でも、あの人が私のもとを去ってしまうと、
      花はみんなしおれて、色あせてしまったわ。
    いつになったら、元に戻るかしら。
      残った根から緑が芽吹いて、咲きそろった花で花束が作れるまでに。”
もしかして、gradina(庭、花園)と gradi(胸→心?)をかけてあるのかも?

  ▽ B ▽  

 Banjsko   (1997 Atanas)
Bansko(マケドニア南東部の地名)に由来。
マケドニアの英雄 Jane Sandanski のことを歌った歌。
  ♪”ああ、マケドニアの人々よ、誇り高き英雄は、この地で倒れたのだ。
    自由のために、祖国マケドニアのために、その命を捧げたのだ。”

 Belasičko   (1983 Atanas)
「Belasica の(踊り)」  (Belasica : マケドニア南東部の地域名。)

 Berovski Čoček   (1998 Atanas)
「Berovo の čoček」  (Berovo : マケドニア東部の町の名。)

 Berovsko Za Pojas   (1997 Atanas)
「Berovo の ベルト(ホールドの踊り)」
Berovo : マケドニア東部の町の名。  pojas : ベルト。

 Bitolska Gajda
BitolaGajda

 Bitolsko  (1985 Atanas)
Bitola の(踊り)」

 Blagino Oro  (1982 Atanas)
「Blago(j) の oro」(?)  (Blago(j) : 人名)

 Bufskoto  〔Buf - 南Makedonija〕  (2003 Atanas)
「Buf の(踊り)」

  ▽ D ▽  

 Da Mi Dojdeš   (1991 バルホリ Fusae)
「私のおうちに来てちょうだい」
  ♪”私のおうちに来てちょうだい。ねえ、素敵な Dimčo。
        晩ご飯を食べに、子羊の焼いたのを食べに。
    僕は行けないよ、Kate。
        だって、君のお母さんを知らないもの。
    じゃあ、お母さんに水汲みに行ってもらうわ。
        そしたら、足をけがするかもしれないでしょ。
        そしたら、お医者さんのふりして、うちに来てね。”
おいおい・・・。    (Dimčo : 男性の名 Kate : 女性の名)

 Debarska Svadba  〔Debar - 西Makedonija〕  (2003 Atanas)
「Debar の結婚式」
Debar 市から少し山の方に入った Broštica 村の結婚式のことを歌った歌。
  ♪”ズルラが鳴り響き、盛大な結婚式が始まる。
      綺麗な Fatima が、Mehmedo のところへお嫁に行くよ。
    威勢よく演奏しておくれ、Majovci たちよ。
      さあ、踊っておくれ、マケドニアの人々よ。”
    (Majovci : 百年ほど続いた、演奏家一家の名。)
この地方の結婚式で踊られる、3つの踊りで構成されている。
    (a) Zetovsko : 花婿が先頭で踊る踊り。(Zet : 花婿)
    (b) Manukoto : 結婚式の前に行う、花婿の髭剃りの儀式の時の踊り。
    (c) Svekrvino : 姑が先頭で踊る踊り。(svekrva : 姑)

 Dedo Mili Dedo  〔Skopje〜Vardar Valley〕  (2003 Atanas)
「おじいちゃん、いとしいおじいちゃん」
歌の登場人物は、おじいちゃんと、彼を愛するおばあちゃん。
各フレーズで脚韻を踏んだ、一種の言葉遊び唄。
  ♪”おじいちゃん、いとしくて大事な人。おばあちゃんの初恋の人。”

 Dolgoto  〔Bitola〕  (2003 Atanas)
「長い踊り」

 Dračevka 〔Dračevo〕  (2004 Michael)
「Dračevo の(踊り)」

 Džurdža Pere (Dzurdza Pere)   (1987 Atanas)
「Džurdža(女性の名)が洗濯している」
マケドニアには、次の様な伝説がある由。
   Džurdža という娘が洗濯していると、トルコ人の男が通りかかり、
   「俺のために洗濯してくれ。そしたら、俺の嫁にしてやろう。」
   と言った。しかし、誇り高い娘は、
   「洗濯も結婚も願い下げよ!」
   と答えた。

  ▽ E ▽  

 Egejskoto  〔Egejska Makedonija〕  (2003 Atanas)
「Egejska Makedonija の(踊り)」

  ▽ G ▽  

 Galička Svadba  〔Galičnik - 西Makedonija〕  (2003 Atanas)
「Galičnik の結婚式」
大勢の人々が集って、タパンを叩きズルラを吹き鳴らし、飲んで歌って踊る・・・という盛大な結婚式のことを歌っている。
Ventzi 氏紹介の "Svatbarsko" と曲は同じだが、Galičnik の方が本家の由。

 Golema Svadba   (1999 Atanas)
「盛大な結婚式」  (golema : 大きな、盛大な  svadba : 結婚式)

 Gostivarsko   (Atanas)
Gostivar の(踊り)」

  ▽ H ▽  

 Hunovo Oro   (1982 Atanas)
「Huna の oro
Huna : 有名なクラリネット奏者 Seljadin Huna 氏のこと
踊りは、Kosovo と Makedonija の中間的なスタイル。

  ▽ I ▽  

 Indinski Čoček 〔東Makedonija〕  (2004 Michael)
「インド(ロマ)の čoček
Indinski : (直訳すると)インドの。ロマの祖先はインドからやって来たと言われて
      いるところから、ロマのことを指す模様。
歌の題名は "Na Khelav, Na Gilavav" (私は踊らない、私は歌わない)。自分の運命の悲しさを神に訴えるロマの歌。
  ♪”私は踊らない、私は歌わない。
       私の運命(さだめ)は、悲しいものだから。
    ああ神よ、私が何をしたというのか。
       あなたに召されるには、私は若すぎる。”

  ▽ J ▽  

 Janino Oro   (1986 Fusae 研)
「Jana の oro」  (Jana : 女性の名前)

  ▽ K ▽  

 Koljo  〔Skopje〕  (1998 Atanas)
男性の名前
  ♪”農場を売ったりしないでちょうだい、コリョ、
    ママが、私をあなたにあげようとしないからって。
       酒場をはしごしては、赤ワインを飲み歩き、
       遅くまで、家に帰って寝ようともしないだなんて。”

 Kopačka   (1982&1991 Atanas)
"Dimna Juda, mamo"(スロー・パート)と"Derviško Viško, mome"(ファスト・パート)の2曲メドレー。
  ♪”Dimna Juda が街を築いた。Vlaina の丘の上に。
    彼女が打ち込んだ柱は皆、結婚をひかえた若者たちでできていた。”
  ♪”Derviška、いとしい人。僕は三年間、君の奴隷になろう。
    ただ、君を見ていたいから。君の白い頬を、見つめていたいから。
       あなたが私の頬を見つめたとしても、
       たとえ、どんなに見つめたとしても、無駄なことだわ。”
   (Vlaina : ブルガリアとの国境近くにある町の名前
    Derviška: 女性の名前)

 Kopačkata   (1989 バルホリ Fusae)

 Kožlevo  〔Kožle - Kumanovo〜Skopje〜Veles〕  (1997 Atanas)
「Kožle の(踊り)」  (Kožle : マケドニア中部の村)

  ▽ L ▽  

 Laži Vere   (1990 Atanas)
「嘘をおつき、Veraよ」
(laži : 嘘をつく(命令形) Vere : Vera(女性の名前)の呼格)
  ♪”嘘をついてもいいよ、ヴェラ、誰にでも、嘘をつけばいい。
       でも私にだけは、嘘をつかないでおくれ。
       私は、病いを三つも抱えてるんだから。
    一つめの病いはね、ヴェラ、君のことを想いうかべるだけで、
       体が燃え上がりそうになるんだ。
    二つめの病いはね、ヴェラ、君に冷たい素振りをされるだけで、
       人気(ひとけ)の無い酒場の様に、心が冷え切ってしまうんだ。
    三つめの病いはね、ヴェラ、君がひとこと言いさえすれば、
       この命だって投げ出してしまいそうなんだ。”

 Legnala Dana   (1987 Atanas)
「Dana が横になっていたよ」
(legnala : 横たわる(過去形) Dana : 女性の名前)
  ♪”Dana は横になって眠っていたよ。小さな庭のオリーブの木の下で。
       風が吹いて、木の枝が Dana の顔の上に落ちてきたよ。
    神様、どうして起こしたりするの?せっかく素敵な夢を見ていたのに。
       夢の中で、三人の若者がやって来て、一人目は金の指輪を、
       二人目はりんごを、三人目はキスを、私にくれたわ。
    私に金の指輪をくれた人、
       その指輪で、他の女(ひと)をものにするといいわ。
       (私は、お金でなびく様な女じゃないのよ。)
    私にりんごをくれた人、
       そんな風に、死ぬまで子供じみたことをやってればいいわ。
       (りんごをもらって喜ぶほど、私は子供じゃないのよ。)
    そして私にキスしてくれた人、
       そうね、彼となら、ずっと一緒に暮らしたいわ。”

 Lesnoto ("Majka")   (2003 Atanas)
Lesnoto ”お母さん”」
死を目前にした母親が、Egejska Makedonija を追放された悲しみや故郷への思慕を歌った歌。
  ♪”ねえ、お母さん、私の愛する、大事なお母さん。聞かせて下さい。
        一体どんな悲しみを、心の底に隠してきたのですか?
        あなたの最期の望みは、何だったのですか?
    この命が消える前に、息子よ、
        もう一度、この目でレリンを見たかったわ。”
マケドニアの国民的歌手 Petranka Kostadinova の歌。